これは聖書ではない。
だが、聖書以上に“宇宙の真実”を語っている――そう言われたら、あなたは信じるだろうか?
1882年、アメリカで突如として現れた一冊の書物『オアスペ』。
著者は歯科医のジョン・ニューブローという、当時無名の人物だった。
しかし彼はこう語る。
「これは私が書いたのではない。宇宙の霊たちが、私の手を通じて書かせたのだ」と。
この言葉をきっかけに、140年以上にわたる“異次元の書”の伝説が始まる。
一部の人々はそれを、宇宙からの福音と崇め、
また一部の人々は、それをあまりに危険な禁書として封印しようとしてきた。
このブログでは、謎に満ちた書物『オアスペ』の全貌を、
その著者、内容、未来予言、宗教との対立、そして陰謀論的視点から紐解いていく。
私たちが信じてきた歴史、宗教、そして霊界の存在とは何なのか?
『オアスペ』が語る“宇宙の秩序”とは何か?
その深淵に、今、踏み込んでいこう。
ジョン・ニューブローという男
『オアスペ』の著者、ジョン・ニューブローは1828年、オハイオ州に生まれた歯科医だった。
一見すると、ただの地方の町医者に過ぎない彼が、なぜ「宇宙の霊界の代筆者」になったのか。
その鍵は、彼が関心を寄せていた神秘主義とスピリチュアリズムにある。
19世紀のアメリカは、宗教改革やオカルト思想が一気に広がる時代。
“交霊会”や“自動書記”といった概念も流行し、多くの人が霊界との交信を試みていた。
ニューブローも例外ではなく、彼はやがて、自身の身体を通して霊的存在が情報を伝えてくる「自動書記」という現象を体験する。
彼が語るには、夢の中でも、タイプライターの前でも、手が勝手に動き、膨大な情報を書き続けるようになったという。
こうして、彼の手によって記された書物こそが『オアスペ』だった。
『オアスペ』の構造と中身
『オアスペ』は単なる預言書ではない。
全体は数千ページにわたり、宇宙の創造から霊界の階層構造、未来文明の予言まで、多岐にわたる情報が収録されている。
特に重要なのが、「霊界の階層構造」だ。
『オアスペ』には「エーテリア」「ハーダ」「コーポリアル」といった異世界的な次元が登場する。
これらは単なる死後の世界ではなく、役職や機能を持った“宇宙の霊的政府”のような構造体だ。
そこには天界の支配者、技術者、学者が存在し、地球を含む各惑星の管理に関与している。
つまり、死後の魂はただ天国へ行くだけでなく、役割を与えられて活動を続けるというのだ。
さらに、『オアスペ』では、アトランティス大陸の崩壊やバビロン文明の盛衰など、人類史の大事件も“霊界の戦争”の影響とされている。
これは宗教書というより、宇宙規模のスピリチュアルドキュメントだ。
宗教との対立
当然のことながら、『オアスペ』は当時のキリスト教勢力と激しく対立することになる。
最大の争点は“神”の定義だ。
キリスト教において、神は唯一絶対の存在である。
だが『オアスペ』において「神(God)」とは、宇宙における役職名の一つに過ぎない。
本当の創造主は「ジェホヴィ(Jehovih)」と呼ばれる存在であり、抽象的な意識体であるとされる。
この“役職としての神”という考え方は、従来の宗教観を真っ向から否定するものだった。
結果的に『オアスペ』は、宗教界から「危険思想」として排斥されることになる。
ニューエイジ思想とカルトへの影響
だが、『オアスペ』の影響は確実に広がっていった。
20世紀に入り、神智学、ニューエイジ運動、UFO宗教、チャネリング文化など、多くのスピリチュアル運動が登場する。
それらの根幹に、オアスペ的な“宇宙霊界観”が影響を与えていたことは否定できない。
実際、一部のUFO信仰団体では『オアスペ』を“宇宙の預言書”として秘蔵していたという証言もある。
そしてごく少数の秘密結社がこの書を禁書として封印していた、という都市伝説もあるのだ。
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